毎日新聞9記事と日経新聞1記事 --


記事番号1

日付950103039

日本経済活性化のキーワードとして規制緩和が叫ばれている。規制緩和で許認可の見直しに取り掛かったのは一九六二年の第一次臨時行政調査会だが、高度経済成長とともに、その後も規制は増え続ける。八五年には一万五十四件だったが、九三年には一万一千四百二件にまで増えている。どうして規制は増えるのだろうか――。

一口に規制と言っても対象、方法はさまざま。代表的な例として許認可があるが、ほかに行政指導や価格支持制度も規制に含まれる。

主だったものだけでも(1)事業開始の許可(2)運賃・料金や事業計画の変更の許可(3)設備・機械の検査(4)業務の定期報告――などが挙げられる。

総務庁の九三年「許認可等の統一的把握の結果について」によると、九二年三月三十一日から一年間で新たに増えた許認可などは七百三十七件。廃止したのは二百七十七件で、差し引き四百六十件の許認可が増えている。

このうち「著作権法の改正」など規制強化に伴うものは百六十二件。皮肉なのは従来の規制や制限を緩和し、逆に許認可が増えたのが二百八十六件にも上る。

八五年四月に「電電公社」が民営化された際、電気通信事業法が成立。もともと公社の独占だった電気通信事業に民間が加わるには、一定の条件整備が必要、と九十件余りの許認可が生まれたという。最近では金融自由化により、新たな規制が増えている。

ちなみに九三年の新設許認可を分野別にみると、「事業活動の合理化、適正化」が四百三十一件と最も多く、次いで融資助成制度など「産業の振興、助成」が百七件となっている。

社会情勢の変化によって、新たに国民のニーズが生まれ、法律が作られるが、縦割り行政の弊害で、同一対象に複数の規制を課しているものも多い。

(この記事にはグラフ「許認可数の推移」があります)


記事番号2

日付950105196

京浜急行電鉄が文化活動の一環として刊行してきた研究誌『三浦古文化』がこのほど刊行された第五十五号で廃刊となった。一九六六年に創刊された同誌は、歴史・美術の研究論文を収録し、各種学術団体などに寄贈されてきた。近年、企業の文化支援活動(メセナ)がクローズアップされているが、同誌は地味な活動ではあったが、その先駆といっていい。質の高い論文が多かっただけに廃刊を惜しむ声も強い。

廃刊は、経済的な理由による。廃刊を伝えた文書には「日本経済は深刻な不況下にあり、企業の経営も一層の厳しさを問われております。当社におきましても『業務革新・意識改革活動』を行うなど懸命の努力をいたしております」とある。最終号の「編集余語」には、次のように記されている。

「経済不況のつづくまま、平成六年も終わろうとしている。その折から遂に『三浦古文化』終刊の指示が届いた。企業としては、健全財政をたてまえとする方針から、やむを得ないこととはいえ、やはり思いがけないことであった。改めて企業に於(お)ける文化事業のむずかしさを考えさせられた」


記事番号3

日付950103129

毎日新聞社は今年も多彩な文化事業に取り組みます。国内外の名品を紹介する大型美術展、歴史と伝統を誇る毎日書道展、安井賞展、人間国宝新作展などを開催、各種コンクール事業を精力的に展開します。「文化」の毎日の「この一年」にご注目下さい。


記事番号4

日付950118123

◇通信のバックアップ体制

阪神大震災(兵庫県南部地震)は企業活動にも著しい打撃を与え、万一の事態に対する日ごろの備えの重要性を改めて浮き彫りにした。国土庁が上場企業を対象に実施したアンケートでは、六割以上が自社の所在地で十年以内に震度5以上の地震が起きると予想しながらも、ガラスなどの落下物対策や情報通信のバックアップ体制は十分とはいえないのが実情。特に、業種、企業規模で対策にばらつきが目立つという。同庁防災調整課は「この都市型地震をきっかけに、経営側が防災意識を高める必要がある」と話している。

この調査は国土庁が東証一、二部上場企業千六百二十四社を対象に一九九一年二月に実施したもの。それによると、回答があった五百八十八社のうち六四%が「社内に防災対策組織がある」と答え、九一%が防災訓練を行っている。

アサヒビール東京工場(東京都大田区)の場合、地震時の災害支援を目的に従業員の半数の二百五十人で災害支援隊を組織するなど、実際のマニュアルを持つ企業もある。しかし全体では「地域社会と一体となった防災活動を行う」としているのは四割、「検討中」は二割弱という。

「ガラス、屋外広告などの落下防止」「電力・ガスなどのエネルギー供給のバックアップシステム」などの対策を持つのは四割未満、「事務機器の転倒防止」も三割にとどまり、これらの対策を講じる予定がない企業も三割前後ある。

また企業活動にとって欠かせないのが情報面での対応。都市銀行や大手商社、電機メーカーなどの場合、コンピューターのデータは常に離れた二カ所で共有しており、一方で有事の際には他方がバックアップする仕組みになっている。しかしアンケートでは、通信回線のバックアップシステムを持つ企業は三割弱、データのバックアップシステムも五割にとどまっている。

国土庁は、「情報のやり取りによって企業活動が支えられているのに、取り組みは不十分」と指摘。事実、震度5以上の地震の場合、約五割の企業が「オンラインなどが停止し、入出金、手形決済などに支障が出る」「本社と工場、事業所間の連絡がつかず、事業に支障が出る」と回答している。


記事番号5

日付950111203

余命検索、イントロ当てクイズ、バーチャルリアリティーの釣り……。街中のゲームセンターで、アイデア勝負のゲーム機が増えている。ターゲットは年配層やカップル。ちょっと前では考えられなかったさまざまなゲームを大手メーカーが競って開発しており、機種は今後ますます多様化しそうだ。

◇あなたもゾンビ!?−−余命検索サービス

ナムコが昨年発表した「余命検索サービス X―DAY」は、生年月日と性別を入力し、画面に表示される質問にイエスかノーで答えていくと、命日がわかる、というもの。厚生省の簡易生命表をもとに1日単位で余命日数を計算していく。

質問の内容は「毎日、緑黄色野菜を食べている」「実は、下着からお肉がはみでている」など、食習慣や健康、ストレス度など全部で15、16項目。生存に適した回答を選んでいくと、余命日数がプラスされていくが、逆だとマイナスされる。最後に機械から「生存証明書」がプリントアウトされる。最長は「享年150歳」。回答によっては生存可能日数がマイナスに。つまりすでに死んでいるわけで、その人には生存証明書の代わりに「ゾンビ証明書」なるものが発行される。

◇スポーツフィッシング−−本物の釣りを再現

ターゲットをおじさん層に据えたのが、セガ・エンタープライゼスの「スポーツフィッシング」だ。さおとリールを操作、レーザーディスクで再生される37インチの大画面を見ながら魚を釣り上げるゲーム。イシダイ、スズキなど23種類の釣果を競う。いわば、釣りのバーチャルリアリティー。

リールを早く巻き上げすぎると糸を切られたり、釣れた魚によってアタリの感触が異なるなど、ほぼ本物の釣りを再現したという。

「初めてゲームセンターに来た人でもトライしてもらえる製品」と同社。必ず魚が食いついてくるのでシロウトにはうれしい。

◇ドレミファグランプリ−−イントロで4択

イントロクイズをゲームにしてしまったのが、コナミの「ドレミファグランプリ」。流行曲からクラシックまで曲のイントロがスピーカーから流れ、4択で曲名を選ぶ。これまで、著作権とのからみがあり製品化が難しい、と業界ではみられていたが、今回はそれをクリアした。

騒がしいゲームセンターでイントロ当てクイズというのも妙な話だが「テレビでなじみがあることもあって、人気機種になっている」(広報宣伝室)そうだ。

◇“従来型”も根強く 2極分化の様相

横置きのサンドバッグ状のバーをけって画面上のゴールにサッカーの球をけり込む「ワールドPKサッカー」(ジャレコ)、カップルの顔から予想される子供の顔を合成写真にしてくれる「ラブラブシミュレーション」(九娯貿易)なども受けている。

一方、ストリートファイターのような激しい操作が必要な従来型ゲームも相変わらずの人気で、ゲームセンターの機種は今後マニア向けと一般向けに二極分化していきそう。

パチンコだと1000円、2000円はアッという間に消えてしまうが、ゲームセンターならば、ワンコインでも結構楽しめる。会社帰りに、ちょっとゲームセンターに寄ってみませんか。


記事番号6

日付950113192

余命検索、イントロ当てクイズ、バーチャルリアリティーの釣り……。街中のゲームセンターで、アイデア勝負のゲーム機が増えている。ターゲットは年配層やカップル。ちょっと前では考えられなかったさまざまなゲームを大手メーカーが競って開発しており、機種は今後ますます多様化しそうだ。

◆余命検索サービス

ナムコが昨年発表した「余命検索サービス X―DAY」は、生年月日と性別を入力し、画面に表示される質問にイエスかノーで答えていくと、命日がわかる、というもの。厚生省の簡易生命表をもとに一日単位で余命日数を計算していく。

質問の内容は「毎日、緑黄色野菜を食べている」「実は、下着からお肉がはみでている」など、食習慣や健康、ストレス度など全部で十五、六項目。生存に適した回答を選んでいくと、余命日数がプラスされていくが、逆だとマイナスされる。最後に機械から「生存証明書」がプリントアウトされる。最長は「享年百五十歳」。回答によっては生存可能日数がマイナスに。つまりすでに死んでいるわけで、その人には生存証明書の代わりに「ゾンビ証明書」なるものが発行される。

◆スポーツフィッシング

ターゲットをおじさん層に据えたのが、セガ・エンタープライゼスの「スポーツフィッシング」だ。さおとリールを操作、レーザーディスクで再生される三七インチの大画面を見ながら魚を釣り上げるゲーム。イシダイ、スズキなど二十三種類の釣果を競う。いわば釣りのバーチャルリアリティー。

リールを早く巻き上げすぎると糸を切られたり、釣れた魚によってアタリの感触が異なるなど、ほぼ本物の釣りを再現したという。「初めてゲームセンターに来た人でもトライしてもらえる製品」と同社。必ず魚が食いついてくるのでシロウトにはうれしい。

ドレミファグランプリ

イントロクイズをゲームにしてしまったのが、コナミの「ドレミファグランプリ」。流行曲からクラシックまで曲のイントロがスピーカーから流れ、四択で曲名を選ぶ。これまで、著作権とのからみがあり製品化が難しい、と業界ではみられていたが、今回はそれをクリアした。騒がしいゲームセンターでイントロ当てクイズというのも妙な話だが「テレビでなじみがあることもあって、人気機種になっている」(広報宣伝室)そうだ。

このほか、横置きのサンドバッグ状のバーをけって画面上のゴールにサッカーの球をけり込む「ワールドPKサッカー」(ジャレコ)、カップルの顔から予想される子供の顔を合成写真にしてくれる「ラブラブシミュレーション」(九娯貿易)なども受けている。

「従来型」根強く2極分化の様相

一方、ストリートファイターのような激しい操作が必要な従来型ゲームも相変わらずの人気で、ゲームセンターの機種は今後マニア向けと一般向けに二極分化していきそう。

パチンコだと千円、二千円はあっという間に消えてしまうが、ゲームセンターならば、ワンコインでも結構楽しめる。会社帰りに、ちょっとゲームセンターに寄ってみませんか。


記事番号7

日付950113215

◇奉仕のイメージ薄れ…

山口鶴男総務庁長官は十三日の閣議で、一九九四年度版の「青少年問題の現状と対策」(青少年白書)を報告した。今年は「ボランティア活動と青少年」と題した特集を組み、青少年期のボランティア活動の現状や問題点を紹介している。一方、大きな社会問題になっているいじめや、それに伴う自殺の問題については「小・中学校では減少している」との簡単な記述にとどまっている。同庁は「大きな問題となったのが昨年暮れと遅かったため、編集の都合で間に合わなかった」と説明している。

白書は九三年に総務庁が全国の青少年三千人を対象に行った調査などの例を引きながら、青少年のボランティア活動に対する意識を紹介。ボランティア活動について「楽しみながら気楽にできる身近な活動」という考え方が、従来の奉仕、貢献といった概念を上回り、活動分野も伝統的な社会福祉だけでなく、自然・環境保護など多岐にわたっていると分析している。

また、ボランティア活動を行っている青少年は五・三%、社会的活動に充てる時間も一日二分に過ぎない現状も指摘。青少年参加を可能にする環境整備などを目標に掲げている。


記事番号8

日付950124360

<企画、開発に携わったセガ・エンタープライゼスTOYプロダクトマネジメント部の江幡好美さん(28)>

◇発達に応じた機能

《開発のきっかけは》

小さなころからセガに親しんでもらえる商品の開発が求められていた。その一環として、乳児向け玩具(がんぐ)の発売を検討し、絵本で子供の母親世代にもなじみのある「ミッフィー」をキャラクターとして採用した。親しみやすく、清潔なキャラクターが採用の決め手になった。

《人気の秘密はどこに》

乳児期は知能の発達が早く、長い期間遊べるおもちゃは少ない。ビジージムは、「つかむ」「回す」「にぎる」などの発達段階に応じた機能を盛り込んで、寝返りができるようになる時期から、はいはい、つかまり立ち、歩く時期まで、生後二カ月から一歳半までの年齢を対象にすることができた。母親にも組み立てられるようにし、子供と親と両方にとって使いやすいようにする配慮をしている。また、アンケートなどで、ユーザーの反応を取り入れ、常に改良を加えている。

《定着するまでの苦労は》

乳児向け玩具市場で、当社は後発メーカー。キャラクターの作者であるブルーナーの「時間をかけてじっくり育てていく商品にしたい」という意向もあり、市場に定着するまで時間がかかった。これは乳児用玩具として、安全性が高く、質の高いものを追求していくうえで仕方がないこと。発売当初は、乳幼児向け玩具は、ガラガラなど小さな商品が中心で、ビジージムのような大型商品には賛否両論もあった。

《今後の展開を》

玩具という枠を超え、健康・衛生面の機能を持った実用的な乳児用品としての展開を検討している。乳児を育てる環境づくりに役立つもの、というとらえ方で商品をつくっていく。

◇オランダの絵本作家、ディック・ブルーナーの人気キャラクター「ミッフィー」を使った乳児用玩具。ブランコに乗ったウサギ、イヌ、ヒヨコが揺れるなど、乳児が遊べるさまざまな機能を盛り込んでいる。

1990年6月の発売以来、94年末までに計70万個が売れ、乳児用玩具市場空前のヒット商品に。昨年夏から、新型にモデルチェンジした。標準小売価格は3980円。


記事番号9

日付951230024

◇衛星利用し

【シンガポール28日時事】シンガポールの通信会社であるシンガポール・テレコム、シンガポール・テクノロジーズ・テレメディア両社は二十八日、中国の衛星通信会社四社と共同で、通信衛星を利用したアジア最大規模の移動電話サービスに乗り出すと発表した。

サービス予定地域は日本、中国、インドを含む東アジア、東南アジア、南アジアで、急速な経済成長に加え、約三十億人の総人口を抱えて移動電話の飛躍的な普及が期待できるアジア地域一帯をカバーする。総投資額は六億四千万米ドル(約六百五十六億円)で、一九九八年半ばの営業開始を目指している。日本からは三菱商事がプロジェクトに参加する。

シンガポール、中国の通信会社六社は共同で移動電話サービス提供会社となる「アジア・パシフィック・モービル・テレコミュニケーション・サテライト」(APMT)をシンガポールに設立する。


記事番号10

日付170930

 突然丸い部屋に入れられ、両足にビリッと電撃を食らった。それ以来、そこは恐怖の場所になった。だが、実はそれは本物の記憶ではなく、作られたフェイクの記憶だった──。そんなSF映画さながらの記憶の操作が可能になっている。ただし、人間ではなくマウスでの話だ。富山大学の井ノ口馨教授らは、マウスの脳に刻まれた個々の記憶をつなぎ換え、新たな記憶を作り出した。

 実験では、まず丸い部屋の中にマウスを入れ、自由に探索させた。次にそこから出して四角い部屋に入れ、脚に電気ショックを与えてすぐに出した。マウスには「丸い部屋にいた」という記憶と、「どこかに入れられて脚に電撃を食らった」という記憶が残る。それぞれ別々の出来事として記憶しているので、翌日、マウスを再び丸い部屋に入れても平然としている。ところが、マウスの脳の記憶をつかさどる海馬という部分などに青いレーザー光を2分ほど当て、その後マウスを丸い部屋に入れると、電気ショックへの恐怖で固まってしまう。

 いったい何が起きたのだろうか。最初、2つの記憶はマウスの脳の中の異なる細胞集団によってコードされていた。ある細胞集団が活動すると丸い部屋の記憶が想起され、別の細胞集団が活動すると電撃の記憶が呼び覚まされる。

 これらの細胞には「光遺伝学」と呼ばれる手法を用いて、青い光が当たると活動するような仕掛けを施してあった。レーザー光を照射すると両方の細胞集団が活動し、マウスには「丸い部屋」と「電撃」の両方の記憶がフラッシュバックする。同時に細胞同士の結合が強まり、どちらか一方だけでなく2つの記憶を同時にコードする「オーバーラップ細胞」が増えていく。その結果、2つの記憶が関連づけられ、一方を思い出すともう一方も想起されるようになった。こうして本来なかったはずの、「丸い部屋での電撃トラウマ記憶」が生成されたのだ。井ノ口教授らは別の実験で、一度つながった記憶を再び切り離すことにも成功した。

 「この10年で、記憶の研究は急速に進歩した」と井ノ口教授は話す。脳内の細胞の活動を可視化し、1つずつオンオフできる技術が登場したことで、「従来はアプローチできなかった疑問に取り組むことを可能になっている」。記憶が脳内でどんなふうに保存され、どんなふうに互いにつながるのか。その実体が細胞レベルで解明されつつある。